はちみつには、加熱したものと非加熱のものがあります。なぜ加熱する必要があるのか、この2種類のはちみつにはどのような違いがあるのかを解説していきます。
99%のはちみつは加熱されている?
市販のはちみつに添付されているラベルとみると、「純粋はちみつ」「精製はちみつ」「加糖はちみつ」という区分表示があります。
「純粋はちみつ」と聞くと何も加工されていないはちみつのように思いがちですが、日本の「純粋はちみつ」の表示規定では加熱はOKとされています。実は販売されている国産・外国産はちみつの99%は加熱されているのです。
はちみつを加熱する理由とは?
なぜはちみつを加熱するのか、その理由を見ていきましょう。
・効率よく採るため
できる限り大量のはちみつを採るために、糖度が基準に達する前に採ることがあります。しかし、基準を満たしていないため、このままでははちみつとして販売することはできません。そのため、水あめや人口転化糖などを入れ人工的に熱を加え、基準となる糖度に達するまで水分を飛ばします。
また、巣板によって完熟度や糖度のばらつきが発生するため、加熱し品質を統一する目的があります。
・フィルターに通して瓶詰めをしやすくするため
完熟した非加熱のはちみつは粘度があります。はちみつのいろいろな不純物を取るために、フィルターにかけてろ過する必要があるのですが、はちみつの粘り気が強いと作業が長くなります。そこで、熱を加えてはちみつを溶かします。溶けてサラサラになったはちみつはフィルターも簡単に通るようになるため、作業が捗ります。
・輸送の際に気温が上昇するため
養蜂に適した環境で作り出した海外産のはちみつ(非加熱)を船で輸送する際、コンテナ内で温度が上昇し、はちみつが意図せず加熱されてしまいます。60度以上になると、はちみつに含まれる成分が壊れてしまいます。
また海の上は、日中は気温が上がり夜は気温が下がります。極端な温度変化があるため、はちみつが固まってしまうのです。この固まったはちみつを瓶につめるためには、どうしても加熱が必要になります。
加熱したはちみつと非加熱のはちみつの違い
加熱したはちみつと非加熱のはちみつには、以下の違いがあります。
はちみつの香り成分は、ほとんどが花粉由来であるといわれています。特に、百花はちみつはミツバチが複数の花蜜を集めてくるため、複雑な香りを味わえます。しかし、香り成分の揮発性は非常に高く、加熱することで香り成分がとんでしまいます。
また、加熱によってはちみつの成分が変化することも知っておきたいポイントです。砂糖と違って、はちみつはビタミンB群をはじめとする栄養素を豊富に含んでいます。このビタミンB群、およびはちみつの生成過程で発生するオリゴ糖は熱に弱く、加熱することでその量がだんだんと減っていきます。さらに、非加熱状態では含まれていた酵素の一部には、熱によって失活するものがあります。
さらに、加熱したはちみつと非加熱のはちみつでは、不純物の除去方法が異なるのです。加熱したはちみつは遠心分離機を使用しますが、非加熱のはちみつはろ過作業を何度も丁寧に行います。
非加熱のはちみつの特徴
非加熱のはちみつとは、みつが熟成して自然に糖度が上がるのを待ったあとに採蜜したものです。基準の糖度になるために水分を飛ばすという作業はしていません。また、ぶどう糖や果糖、水あめ、コーンスターチなどの糖類が一切添加されていないため、はちみつ本来の栄養素をそのままいただけます。
非加熱のはちみつのメリット
非加熱の生はちみつは、以下の栄養素が含まれています。
- 酵素
- ビタミン
- ミネラル
- カルシウム
- 鉄分
- 乳酸菌
- オリゴ糖
- グルコン酸
- ポーレン
酵素やビタミンは加熱すると壊れてしまうのですが、非加熱のはちみつは良質な酵素やビタミンを摂取できます。
また、乳酸菌やオリゴ糖、グルコン酸は、腸内の善玉菌である乳酸菌やビフィズス菌を増やす働きがあります。善玉菌を増やすことで腸内環境が整い、便秘やがん、アレルギーなどの予防につながります。
非加熱はちみつの主成分となるブドウ糖と果糖は、単糖類といいます。体内に入るとこれ以上分解されることがないため、素早く短時間で吸収されます。胃腸に負担がかからず短時間で血糖値を上げるので、マラソンやトライアスロンなど激しい運動の前に非加熱のはちみつを摂取することで、体力の消耗を防げます。健康や体力の維持を目指す方には非加熱のはちみつがおすすめです。
通販で買う非加熱はちみつの選び方と正しい保存方法
非加熱のはちみつを通販で購入する際には、選び方と保存方法が非常に重要です。選ぶ際には、まずはちみつが本当に非加熱であるという証明を確かめることが大切です。多くの場合、製品のラベルや説明文に「非加熱」と明記されていますが、信頼できる生産者から購入することも重要です。次に、色や透明度をチェックし、濁りが少なく、自然な色をしているものを選びましょう。
保存方法については、はちみつは直射日光や高温を避ける必要があります。理想的には、温度変化の少ない冷暗所で保管することが推奨されます。非加熱はちみつは自然な状態で保存されているため、時間とともに色や香りが変化することがありますが、これは自然な現象であり、品質が悪くなったわけではありません。また、はちみつは水分を引き寄せやすい性質があるため、密閉容器での保存が望ましいです。これらのポイントを守ることで、はちみつの品質を長持ちさせることができます。
藤田養蜂園では品質のよさにこだわり、国産のはちみつを販売しています。どのはちみつも花の開花時期に合わせて移動養蜂しており、最も美味しい状態のはちみつを収穫しています。お試しセットもご用意していますので、ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。
はちみつには多くの種類があり、その特徴や用途はさまざまです。今回は、主なはちみつの種類とその特徴について解説します。はちみつの種類を知ることで、自身のニーズに合ったはちみつを選ぶ手助けになれば幸いです。
アカシアはちみつ
アカシアはちみつは、透明度が高く、淡い色合いが特徴です。花の香りが少なく、クセがないため、はちみつ初心者にもおすすめです。また、アカシアはちみつは結晶化しにくいので、長期間保存しても使いやすいです。
百花はちみつ
百花はちみつは、さまざまな花の蜜が混ざり合ったもので、その季節や地域によって風味が異なります。ミツバチが集めた花蜜の種類によって、複雑な香りと味わいを楽しむことができます。非加熱の百花はちみつは、その多様な栄養成分をしっかりと摂取できるため、健康を意識する方にも人気です。
とちはちみつ
とちの花から採れるはちみつは、濃厚な味わいと独特の香りが特徴です。色も濃いめで、深いコクがあります。パンやチーズに合わせると、その風味が引き立ちます。また、非加熱のとちはちみつは、ビタミンやミネラルが豊富で、健康効果が期待できます。
りんごはちみつ
りんごの花から採れるはちみつは、フルーティーな香りと爽やかな甘さが特徴です。ヨーグルトやフルーツサラダにかけると、相性抜群です。非加熱のりんごはちみつは、酵素やビタミンCが豊富で、美容効果も期待できます。
はちみつの選び方と使い方
はちみつを選ぶ際は、まず自分の好みや用途を考慮しましょう。料理に使うならクセのないアカシアはちみつ、健康目的なら栄養価の高い百花はちみつやとちはちみつ、デザートに使うならフルーティーなりんごはちみつがおすすめです。
保存方法にも注意が必要です。はちみつは直射日光を避け、冷暗所で保存することが大切です。また、非加熱のはちみつは特に栄養価が高いため、できるだけ新鮮な状態で摂取することを心がけましょう。
通販で非加熱のはちみつを購入する際は、信頼できる生産者から購入することが重要です。製品のラベルや説明文をよく確認し、本当に非加熱であることを確かめましょう。
はちみつは栄養価が高いため、美容や健康維持におすすめの食品として注目を集めています。はちみつを選ぶ際は、栄養価を十分に得るために非加熱のものを選びましょう。
非加熱のはちみつは良質な酵素やビタミンだけではなく、乳酸菌やオリゴ糖、グルコン酸などが豊富に含まれています。
特に、酵素は人間の生命活動を維持するために必要不可欠な成分です。体内で作れる酵素には限りがあるため、外部から補う必要があります。酵素は熱を加えることでなくなってしまうので、生きた酵素を摂取するために非加熱のはちみつがよいのです。
はちみつの通販専門店で非加熱のはちみつをお探しの方は、藤田養蜂園のオンラインショップをご利用ください。人気のアカシアをはじめ、本場のリンゴやとち、百花など、種類豊富で非加熱のはちみつを通販で購入できます。養蜂園で自家採蜜した国産の薫り高いはちみつを、ぜひご堪能ください。